Case
いろいろな分野で使用されている産業ガスですが、皆様の指に光る指輪を作る行程にも、ガスが使われていることをご存じでしょうか。
酸素ガスで高温処理が可能に
もともとは1本の小さな金属の棒を原料として、指輪は作られます。指輪になるまでにはいろいろな工程を経ていますが、中でも、焼なまし、ロウ付け、という工程にガスが使われています。
焼なましとは、金属を柔らかくするために行う熱処理のこと。ロウ付けは、もともとは1本の棒である指輪の材料を加熱して柔らかくした後、ロウと呼ばれる合金を接着剤として溶接する工程のことです。
シルバー製、ゴールド製、プラチナ製など、金属には様々な材質がありますが、それぞれ融点が異なるため加工に使われるガスも違います。シルバーには主に都市ガスを使用した加工が行われますが、ゴールド・プラチナになるとシルバーよりも融点が高くなるため、都市ガスに酸素を加えて金属加工を行います。酸素を使うと、都市ガスだけで加工する時よりもさらに高温処理を加えることが可能です。
今回、貴金属加工を手掛けているA社様から、ゴールド・プラチナの金属加工を行うため酸素を購入したいとのご依頼がありました。
違うガス種を併用する課題
A社様はこれまで、都市ガスからホースを都市ガス用トーチにつないでシルバーの加工を行っていました。ゴールド・プラチナの加工を行うには、都市ガス+酸素用の別のトーチを使用します。加工する金属により2つのトーチを使い分けることになるので、両方のトーチをつないでおけるよう都市ガスを分岐させたいとご希望されていました。
都市ガスの分岐は、ガス供給量の不足、立ち消え、ガス漏れの原因となりますので禁止されています。ご希望通り両方のトーチをつなぐには都市ガスの取り出し口を増設する必要がありますが、増設には都市ガスのサービスセンターによる実地確認及び建物のオーナーの許可が必要です。その旨をお伝えし、今回は取り出し口の増設を行わずに、使用するトーチのホースを都度つなぎなおしてご利用いただくことをご案内致しました。
初回納入、動作確認
酸素ボンベの初回納入の際には、酸素ボンベの設置、ボンベに調整器とホースの取り付けを行い、トーチで問題なく利用いただけるかの動作確認をしました。設置状態はこちらです。
今回は、酸素ボンベの転倒防止措置として、ボンベを固定するためのボンベスタンドも併せてご購入いただきました。スタンドに付属の上下のチェーンでボンベを固定することで、ボンベが倒れる危険を防ぐことができます。
その後、実際にご使用いただけるかを確認するため、酸素を使用してマイクロトーチの試運転を行いました。金属加工に適した圧力で酸素が出力されるよう、ガスの出力調整を行います。何度か試した結果お客様のトーチには0.1Mpa がちょうどよい使用圧ということがわかり、安定した青白い炎が灯りました。
酸素セットの内容について
今回ご購入いただいた酸素セットの内容はこちらです。
酸素容器2m3 13.4L
酸素ガス充填2m3
ボンベスタンド
その他、金属加工には下記の機器も必要です。
マスコールでは、上記のようなガス以外の機器についても販売しております。ボンベと機器の接続にご不安がある方など、ガスとセットでのご提案や販売も致します。ぜひ一度ご相談ください。
酸素を使った溶接には、資格が必要です
お取引の際、高圧ガス保安法に基づく周知文書をお渡ししております。その中には労働安全衛生法における『可燃性ガスと酸素で、金属を溶接、溶断又は加熱する業務』について、「ガスの溶接技能講習」修了者などの資格者が、講習の修了証を携帯してでなければ行えないという決まりが記載されています。(「ガス溶接作業主任者免許」取得者であれば、同免許を携帯して行えます)尚、技能講習を受講すれば修了証を取得いただけます。
マスコールでは、大阪高圧ガス熔材協同組合による溶接技能講習の情報もご案内可能です。
ぜひお気軽にお問合せください。
※こちらの酸素ボンベ、酸素ガス、ボンベ台をセットにした商品を、店舗引取限定商品としてマスコールオンラインショップでのお取り扱いを始めました。
大阪京都滋賀等お近くの方をはじめ、皆様ぜひご検討くださいませ。
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