知っておきたいガスの安全 番外編 ~窒素ボンベの容量とサイズの選び方|10L・20L・47Lでガスは何L入る?~
「窒素ボンベがほしいけれど、どのサイズを選べばいいの?」
「10L型って、実際どれくらいのガスが入っているの?」
「個人でも買える? 自宅まで送ってもらえる?」
窒素は、食品の酸化防止や配管のパージ、気密試験、タイヤ充填など、幅広い用途で使われる身近なガスですが、いざ購入するとなるとサイズや容量の見方に迷う方が少なくありません。今回は、高圧ガスの製造・販売会社のマスコールが実務でよくいただくご質問にお答えしながら、窒素ボンベの容量とサイズの選び方をご紹介します。
▼まずは要点
窒素ボンベの容量には、容器そのものの大きさを表す「内容積」と、中に充填されている窒素ガスの量を表す「内容量」の2つがあります。たとえば10L型には約1.5m3(1,500L)、47L型には約7m3(7,000L)の窒素ガスが入ります。用途や使用量、持ち運びの有無などから適したサイズを選びます。
■【01】窒素ボンベの「内容積」と「内容量」は別モノ
窒素ボンベを選ぶとき、いちばん混同されやすいのがここです。高圧ガスボンベには、2つの「量」があります。
・内容積(ないようせき) ……容器そのものの大きさ。「◯L型」と表記します。
・内容量(ないようりょう)……その容器に充填されている気体の量。「◯m3(立方メートル)」で表します。
たとえば「10L型」のボンベは容器の内容積が10L。でも、その中には気体の窒素が約1.5m3(=1,500L)入っています。容器は10Lなのに中身は1,500L。数字がまるで違うので、「え、どっち?」となりがちです。
これは、窒素を高い圧力で圧縮して詰めているから。小さな容器にたっぷりの気体が収まっている、というわけです。

窒素ガス容器の刻印の見方|ガスの種類・耐圧試験圧力・容器番号・容器所有者番号
■【02】10L・20L・47Lで、窒素は何L入る?(容量一覧)
マスコールで取り扱う窒素ボンベの容量ラインナップは、以下のとおりです。
容器の内容積 / 窒素ガスの内容量(目安)
1L型 / 約0.15m3(150L)
2.1L型 / 約0.3m3(300L)
3.4L型 / 約0.5m3(500L)※
6.8L型 / 約1.0m3(1,000L)
10L型 / 約1.5m3(1,500L)
13.4L型 / 約2.0m3(2,000L)
20L型 / 約3.0m3(3,000L)
47L型 / 約7.0m3(7,000L)

窒素ボンベの代表的な3サイズ。容器サイズと窒素ガス内容量の目安を比較
※3.4L型のみ、細型(キャップなし)と太型(キャップあり)の2タイプがあります。
※内容量=使える量ではありません。実際に使用できる量は、使用する機器に必要な圧力や流量などの条件によって異なります。
いちばん大きい47L型が、いわゆる「大型ボンベ」です。直径23cm × 高さ138cmと、大人の肩の高さほどある堂々サイズです。それより小さいものが「小型ボンベ」にあたります。
なお、窒素ボンベは満充填の状態から使い始め、圧力が下がってきたら交換します。このとき容器内部への不純物(空気や水分等)の混入を防ぐため、圧力を完全に抜き切らず、少し残圧を残した状態で交換・返却するのが基本です。(詳しくは【06】で解説します)
■【03】窒素ガスの主な用途
「自分にはどのサイズが合う?」――ここは、使い方によって変わります。マスコールで実際にご対応している、窒素の主な用途をご紹介します。
・食品のガス置換包装(MAP)
食品添加物用の窒素として、お菓子やお惣菜、珈琲豆などの酸化・劣化を防ぐ「ガス置換包装(MAP)」に使われます。
・ワインの酸化防止
開封後のワインに吹き込み、酸化を防ぐ用途にも。アルゴンより手ごろな価格で使えるのが窒素の利点です。
・タイヤ充填
まとまった量を使うため、47L型など大型ボンベが選ばれることが多い用途です。
・パージ(配管・設備内の置換) 配管や設備の中に残った空気や可燃性ガスを、不活性ガスの窒素で押し出して置き換える作業です。
・気密試験
配管や機器から漏れがないかを確認するために、窒素で加圧して試験を行います。
同じ窒素でも、「何に・どのくらい使うか」で、ぴったりのサイズは変わります。迷われたときは、遠慮なくご相談ください。
■【04】大型か、小型か。それぞれの得意がある
サイズ選びで悩ましいのが、「大きいほうがいい? 小さいほうがいい?」という問題。それぞれに、こんな特徴があります。
・大型ボンベ(47L型など)
◯ 交換の手間が少ない。たっぷり使えて長持ち。
△ とにかく重く、持ち上げられません。取り回しや置き場所には注意が必要です。
・小型ボンベ
◯ 持ち運びがラク。少量使いや、作業場所を移動する使い方に向いています。
△ 容量が少ない分、交換の頻度は上がります。
「交換の手間をとるか、取り回しのよさをとるか」。ここが、大型・小型の分かれ道です。使用量が多い企業様は大型を、少量で持ち運びたい場合は小型を、というのがおおまかな目安になります。
■【05】窒素ボンベは個人でも購入・配送できる?
はい、窒素ボンベは個人のお客様にもご購入いただけます。配送やお引き取りについて、マスコールの場合をご案内します。
・大型ボンベの配送は、枚方市を中心に大阪・京都・兵庫・滋賀の一部エリアで承っています。枚方から無理なくお伺いできる範囲が目安で、遠方は配送が難しい場合があります。
・配送に使うのは基本的に3t/4tトラックのため、道が狭くトラックが入れない場所は「要相談」です。エリアや車両の関係でご相談となることもありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
・小型ボンベは、基本的にお客様にお引き取りにお越しいただく形です。
・不活性ガス(窒素など)でキャップ付きの容器なら、当社指定配送業者での発送も可能。
個人のお宅でもお受け取りいただけます。
(※現在、当社指定配送業者での発送は 0.5m3(3.4L太型)と 1.5m3(10L型)を主に承っています。容器保護のため、段ボール梱包などのご協力をお願いします。)
■【06】使い終わった窒素ボンベは「残圧を残して」返却を
最後に、意外と大切なお願いを一つ。使い終わった空容器は、圧力をゼロにせず少しガスを残した状態でご返却ください。

⚠️ なぜ「使い切らない」ほうがいいの?
ボンベの中のガスが完全になくなると、外の空気(湿気)が容器内に入り込みやすくなります。すると、内部にサビが発生したり、次に充填するガスへの不純物混入の原因になったりするため、「少し残して返す」ことが、容器を守り、品質を保つためのポイントです。
✅ あわせて、ボンベ交換のときは、開閉バルブを必ず「閉」に。
「バルブが開いたままになっていて、いつの間にかガスが空になっていた」というケースが、時々見られます。使い終わったら、忘れずにバルブを閉める。これだけで、ムダなガス漏れも防げます。
■よくある質問(FAQ)
Q. 10L型の窒素ボンベには、ガスが何L入っていますか?
A. 約1.5m3(1,500L)が目安です。ただし、実際に使用できる量は、使用機器に必要な圧力や流量などの条件によって異なります。
Q. 窒素ボンベは個人でも購入できますか?
A. はい、ご購入いただけます。不活性ガスでキャップ付きの容器(現在は主に0.5m3太型・1.5m3)であれば、個人宅への発送も可能です。
Q. いちばん大きい窒素ボンベはどのサイズですか?
A. 47L型で、約7m3(7,000L)の窒素が入ります。直径23cm × 高さ138cmの大型ボンベです。
Q. 空になったボンベは、使い切ってから返却したほうがいいですか?
A. いいえ。圧力を完全に抜き切らず、少し残圧を残した状態でご返却ください。容器内部へのサビや不純物混入を防ぐためです。
窒素ボンベは、サイズひとつで使い勝手が大きく変わります。「これで合っているかな?」と迷ったら、どうぞお気軽にマスコールまでお問い合わせください。用途や使用量をお聞きして、ぴったりの一本をご提案します。



