現場で潜む高濃度酸素の危険性 ~衣服に染み込んだ酸素が引き起こす事故~
皆様、こんにちは。マスコールです。
今回は、ガスを扱う現場はもちろん、生物が生きていくために必要な「酸素の性質」と「燃焼のメカニズム」について、少し掘り下げてみたいと思います。
■ 燃えるための3つの要素、言えますか?
ものが燃えるためには、「燃えるもの(可燃物)」「酸素(支燃性ガス)」「熱(着火源)」の3つの要素が不可欠です。
着火源は火の気だけでなく、静電気、摩擦熱、断熱圧縮などによって生じることもありますが、基本的にはこの3つの要素のうちどれか1つでも取り除けば、火災などの事故を防ぐことができます。
ここで注目したいのが「酸素」です。酸素はそれ自体が燃えるわけではありませんが、ものが燃えるのを「支える」性質(支燃性)を持っています(昔は助燃性とも呼ばれていました)。

■ 現場で見かける「ヒヤリ」とする光景
建築現場、鉄鋼関連工場内の現場において、酸素とアセチレンを使った溶接・溶断作業の後に、時折ヒヤリとする光景に出くわすことがあります。
それは、酸素の吹管だけを使って、体に向けて酸素を吹きかけ、「涼む」という行為です。また、アセチレンのすすや、服についたホコリを払うために酸素を使う方もいらっしゃいます(アセチレンの臭いを嫌って酸素を使うケースもあるようです)。
確かに、ガスを浴びると涼しくて気持ちが良いかもしれません。しかし、これは非常に危険な行為となるのです。

■ 酸素濃度が上がると何が起きるか?
私たちが普段吸っている空気中の酸素濃度は約21%です。 例えば、火のついたお線香を想像してみてください。空気中では静かに煙を上げて燃えています。しかし、このお線香にほぼ100%の酸素を当てるとどうなるでしょうか?静かに燃えていた火が、パッと明るく激しく燃え上がります。酸素が燃焼を強力に「支える(助ける)」からです。
もし、ホコリ払いや涼む目的で酸素を浴び続け、服の繊維の間に高濃度の酸素が留まっている状態で休憩室に戻り、タバコに火をつけようとしたら……。服が一気に激しく燃え上がる大事故につながりかねません。
■ 安全は日々の基本から
私たちガスを扱うプロフェッショナルにとって、ガスの性質を正しく理解し、安全に取り扱うことは何よりも重要です。もし、営業や配達の際に現場でこのような行為を見かけたら、「危ないですよ」と一声かけることが、大きな事故を防ぐ第一歩になります。
一般の皆様も、身の回りで特定のガスが高濃度になるような環境の場合には、十分ご注意いただければと思います。
これからも、皆様に役立つ情報や安全への取り組みを発信してまいります。 今後とも、株式会社マスコールをよろしくお願いいたします。


