気体を圧縮すると熱が発生?「断熱圧縮」による発火の危険性と事故防止の鉄則
こんにちは。マスコールです。
高圧ガスを取り扱う現場で、決して無視できない現象「断熱圧縮」をご存知でしょうか?
今回は、実際の実験動画を交えて、そのメカニズムと現場で守るべき安全対策についてご紹介します。
■ なぜ気体を圧縮すると火がつくのか?
気体を急激に圧縮することで熱エネルギーが発生し、その熱により発火する現象が起こります。それを「断熱圧縮」と呼びます。
今回の動画では、一般的な空気(酸素濃度約21%)が入った容器を使い、体積を急激に1/10程度まで圧縮する実験を行っています。 すると、中にあらかじめ入れておいたティッシュ(ホコリに見立てたもの)が、一瞬で燃え上がります。
火種がない状態でも、急激な圧縮熱だけで発火温度に達してしまうのです。
■ 酸素ボンベでの危険性はさらに増大
実験では0.1MPa程度の空気を1MPaまで圧縮しただけで発火しましたが、実際の酸素ボンベは14.7MPaという高圧になります。さらに、酸素ガスはそれ自体は燃えませんが、他の物質の燃焼を著しく助ける「支燃性ガス」です。加えて酸素濃度もほぼ100%であるため、空気中よりもはるかに燃えやすい条件が揃うため、酸素ボンベを取り扱う場合は注意が必要です。
もし、バルブや配管内にホコリや油分、シールテープの切れ端などが残っている状態で、急激に圧力をかけてしまうとどうなるでしょうか? シールテープのような難燃性の素材であっても、溶解や発火のリスクがあります。
実際に、病院や救急車内でバルブを急激に開けたことが原因と思われる火災事故も報告されています。
■ 事故を防ぐための鉄則
断熱圧縮による事故を防ぐために、ボンベを使用する際には以下の3点を必ず徹底してください。
- バルブは「ゆっくり」開ける : 急激に圧力がかからないよう、ゆっくりと操作することが基本です。⇒目安としては、圧力計がある場合、圧力が上がる時に針の動きが肉眼で確認できる程度となります。
- 接続部は清潔に : ホコリや油分が発火源となります。軍手ではなく清潔な手袋を使用するなど、異物の混入を防いでください。
- 異物の確認 : パッキンやシールテープのカスが残っていないか、充填や接続の前に必ず確認しましょう。⇒エアーガン等で異物を吹き飛ばす方法が良いです。
【動画で確認】 実際の実験の様子はこちらの動画でご覧いただけます。一瞬でティッシュが燃え尽きる様子や、シールテープの変化をご確認ください。
動画リンク ⇒ https://youtube.com/shorts/oAQNR0qPAoc?feature=share
安全なガス取扱の一助となれば幸いです。



