お問い合わせはこちら

News・Topics

ニュース・トピックス

暮らしを支える技術:神戸製鋼所様をお迎えした新人向け溶接勉強会

2025年5月28日、私たちマスコール北大阪営業所で、神戸製鋼所様をお招きし、新人向け溶接の技術について学ぶ特別な勉強会を開催いたしました。今回は、入社3ヶ月目のNさんにレポートしていただきます!

 

普段、あまり意識することのない「溶接」ですが、実は私たちの暮らしを支える大切な技術であり、今回はその奥深さに触れる貴重な時間となりました。

◆「くっつける」だけじゃない!溶接の魅力とは?

勉強会ではまず、ものを「くっつける」方法からお話いただきました。ネジやボルトでつなぐ「機械的な方法」もあれば、熱で金属同士を溶かして一体化させる「溶接」という方法もあります。溶接のすごいところは、

  • シンプルなつなぎ方で丈夫:部品点数が少なく、すっきりとした構造になります 。
  • 軽くて経済的:材料や手間を省け、重さも増えにくいので、コスト削減にもつながります 。
  • 水も空気も通さない:気密性や水密性に優れているので、パイプや容器などにも最適です 。
  • 厚さの制限がほとんどない:薄いものから分厚いものまで、様々な厚さのものを溶接できます 。
  • 騒音が少ない:作業中の音が比較的静かです 。

といった点が挙げられます。一方で、熱によるひずみが出たり、材料の性質が変わったりすることもあるそうです 。

◆溶接の「技」を支える!マスコールの主力「ガス」の役割

溶接には様々な方法がありますが、特に重要なのが「シールドガス」という、溶接部分を空気から守るためのガスを使う方法です。このシールドガスが、溶接の品質を大きく左右する大切な役割を担っており、私たちマスコールが自信を持ってお客様にお届けしている主力商品でもあります。

勉強会では、主なアーク溶接法と、それぞれのガス種について詳しく学びました。

  • マグ・ミグ溶接: 日本で一番多く使われている溶接方法で、効率よく作業が進みます 。この溶接法では、シールドガスとして主に炭酸ガス(CO₂)、またはアルゴン(Ar)と炭酸ガス(CO₂)の混合ガス(Ar+CO₂)を使用します 。炭酸ガスは溶け込みを深くする効果があり、混合ガスはスパッタ(火花)を抑えつつ、安定したアークと美しい溶接痕(ビード)が得られます 。
  • ティグ溶接: とてもきれいな仕上がりになるのが特徴で、見た目が重要な部分や、アルミ・チタンなどの特殊な金属を溶接する時に使われます 。この溶接法では、アルゴン(Ar)などの不活性ガスをシールドガスとして使用し、高品質な溶接を実現します 。
  • 被覆アーク溶接: 昔ながらの溶接棒を使う方法で、機械がシンプルで扱いやすいのが特徴です 。この方法では、溶接棒の被覆材が燃焼することで、溶接部分を大気から保護するガスとスラグを生成するため、基本的に別途シールドガスは使用しません
  • サブマージアーク溶接: 大量の電気を使うので、とても効率が良い溶接方法です 。スパッタ(火花)やヒューム(煙)が少ないのも特徴です 。この溶接法も、粒状のフラックスが溶融してガスとスラグを形成するため、別途シールドガスは使用しません

◆「くっつける材料」が進化している!神戸製鋼所の溶接機、溶接棒、ワイヤがすごい!

神戸製鋼所さんの得意分野である「溶接材料」、特に私たちの主力商品として力を入れている「溶接機」「溶接棒」「ワイヤ」について、詳しく教えていただきました。

まず「溶接棒」は、被覆剤の種類によって様々なタイプがあります 。例えば、作業性やビード外観に優れた「ライムチタニア系(Z-44など)」は、国内で最も広く使われています 。また、厚板や高張力鋼の溶接に適した「低水素系(LB-47など)」は、溶着金属の水素量が少なく、割れにくいのが特徴です 。

次に「ワイヤ」についてです。ワイヤには「ソリッドワイヤ」と「フラックス入りワイヤ」があります 。

「フラックス入りワイヤ」は、中が粉状の材料(フラックス)で満たされているのが特徴です 。このワイヤのすごいところは、

  • 火花が少ない!仕上がりがキレイ!: 火花(スパッタ)が飛び散りにくく、溶接後の見た目もとても美しいんです 。
  • 作業が速い!: ソリッドワイヤよりも溶接できるスピードが速く、効率がグンとアップします。
  • 作業がラクになる工夫がいっぱい!: ワイヤの中に含まれるフラックスのおかげで、溶接のしやすさが格段に向上します 。例えば、高い場所への溶接や、一度で太い溶接ができるワイヤ、薄い板の溶接が得意なワイヤなど、用途に合わせて様々な種類があるんです 。メッキされた鋼板もきれいに溶接できるものもあります 。

これらの溶接機、溶接棒、ワイヤは、それぞれのガスの特性と組み合わさることで、より効率的で高品質な溶接作業を実現します。どれも私たちマスコールが自信を持っておすすめする、まさに「縁の下の力持ち」となる商品です。

 

◆参加した社員も納得!

勉強会に参加した社員からは、「溶接の基礎から、ガスや溶接棒、ワイヤといった最新の材料まで、とても分かりやすく学ぶことができました。特にガスを使用する溶接法や『フラックス入りワイヤ』は、作業効率や仕上がりの面で、今後の私たちの仕事に役立つ大きな可能性を感じました。この知識を活かして、お客様に最適な溶接ソリューションをご提案していきたいです。」といった声が上がりました。

また、他社製品との比較について質問が出た際には、「主要なメーカーの製品は、品質的にはどれも素晴らしいレベルにあります。」とのことでした。実際に作業される職人さんたちには、神戸製鋼の溶接は「アークが硬い」、日本製鉄の溶接は「柔らかい」といった、それぞれの「使い心地の好み」があるという、面白いお話も聞けました。

今回の勉強会は、溶接という専門的な技術が、いかに私たちの生活に密接に関わっているかを改めて感じさせてくれる貴重な機会でした。そして、神戸製鋼所さんの溶接機、溶接棒、ワイヤ、そしてそれらを支える産業ガスが、大切な商品であるかを再認識できました。神戸製鋼所様、本当にありがとうございました!これからもマスコールは、このような学びの機会を大切にし、皆様に最高のサービスをお届けできるよう努力してまいります。

 


Contactお問い合わせ

ガス・弊社取り扱い機器のご注文やこんなことできない?など
ガスに関することは、お気軽にお問い合わせください。

F
ガスについて

ガスの使用・製品に関するご相談やガスのご注文はこちら。

G
ガス以外の商品について

ガス以外の商品に関するご相談やご注文はこちら。

g
その他のお問い合わせ

マスコールへの取材、採用、講演など、会社に関するその他のお問い合わせはこちら。

お電話でのお問い合わせ / 電話受付
平日9:00~17:00
※営業時間外の対応は音声案内に沿ってご連絡お願い致します。
ホーム > ニュース・トピックス > マスコール紹介 > お取扱い商品紹介 > 暮らしを支える技術:神戸製鋼所様をお迎えした新人向け溶接勉強会